Stumbleine - Things Don't Sparkle Like They Used To EP
昨年暮れにリリースされたStumbleineの新作。
純粋な新作という意味では2012年のアルバム「Spiderwebbed」以来となる。
Stumbleineの手法と言えば、ポストロック的フィードバックやアルペジオをベースに、シューゲイザー風味のギターを薄くレイヤードし、その上にボーカルサンプリングを組み合わせていくもので、かつてはGlo-FIと呼ばれたジャンルにカテゴライズされながらも、その実はあらゆる観点から構築されていた極めて高密度なベッドルームサウンド。
今回リリースされた Things Don't Sparkle Like They Used To EP は、彼独自のサウンドを担っていたシューゲイザー的なレイヤーが割と抑えられている。*1
今作は一貫してシンセのリフを基盤にしており、また、M3-"I Wanna Dance With Somebody"に見られるような、これまでは細かく切り刻んでいたボーカルサンプリングを「まんま使い」してみたり、作風に幾分か変化が見られる。
まだおそらくは彼の中で試行錯誤の段階だろうが、今作において彼の狙いが最も結実したのはM5- "Polka Dots"のはず。
StumbleineとChillwaveの終演
ちなみに、前述した「Spiderwebbed」は僕の2012年のベストアルバム第2位。
ベッドルームサウンドの一つの完成形であり、この作品によってchillwaveは幸福な死を迎えた。となればStumbleine自身のこの次の一手に変化が見られるのは当然とも言える。彼の新たなビジョンが2014年以降のベッドルームサウンドに大きな影響を及ぼす事は間違いない。
*1:昨年7月にリリースした"Dusk"までは顕著だった。